秋華賞はデアリングタクトの無敗の三冠で幕を閉じた。

三冠達成は馬が強いのか相手が弱いのかどちらかという問題だが、これは両方だろう。

桜花賞は重が得意なエピファネイア産駒ということで馬場が向いたという見方もできる。

レジステンシアはNHKマイルカップでラウダシオンに負けている程度の馬。NHKマイルはラインクラフト、ピンクカメオ、アエロリットなど強くても強くなくても牝馬が強いレースで、そこで負けたのはレジステンシアが強くないという見方もできる。

オークスはあんなダメな競馬で勝てたのは相手が弱すぎたとも言える。

現代の競馬はノーザンが主流であり、ウイン(マイネル系)が上位に来るレースなんてのはろくなもんじゃない。同じダメな競馬でオークスを勝ったブエナビスタとデアリングタクトの祖母であるシーザリオは、負かした相手がレッドディザイア、エアメサイアというのちのG1馬であった。

そして今回負かしたのは重賞未勝利のマジックキャッスルと条件馬のソフトフルート。

確かに相手は弱い。

だが、馬場状態もペースもコースも問わず勝ち切るのは只者ではない。

三冠牝馬や二冠牝馬には2パターンの馬がいて、それは牡馬相手では全く通用しない馬と牡馬相手でもG1を何個も勝つ馬。

メジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネは牡馬には通用しなかった。

ジェンティルドンナ、アーモンドアイは牡馬を圧倒した。

ベガ、メジロドーベル、カワカミプリンセス、メイショウマンボは牡馬に通用しなかった。

ダイワスカーレット、ブエナビスタは牡馬を圧倒した。

これからのデアリングタクトの活躍次第で無敗の三冠馬という価値が決まるだろう。


2着のマジックキャッスルはオークスで前が思いっきり詰まっての5着。

この秋華賞のポイントは、着順がまるっきり違ってしまった桜花賞とオークス組のどちらが強いのかという点であったが、これはオークス組のほうが強かった。
フィオリキアリという馬が桜花賞7着からのオークス14着で、その後きっちり1000万下を勝ち、満を持してのローズステークスで8着だったという結果から、レース前からわかっていた事実なのかもしれない。現に桜花賞の4,5,6着で今回穴人気になってた馬が秋華賞で後方の着順に沈んでいた。
通ったコースも良かった。ディープインパクトの皐月賞でディープが掃除したルートと同じ道を辿って2着に来たシックスセンスと同じパターンだ。



3着のソフトフルートは1000万下を勝ち上がったばかりの馬。
アーモンドアイの年にミッキーチャームが2着に来たように、三冠馬の出る年は相手が弱く、古馬相手に勝ってきた馬のほうが王道組よりも強いというお手本通りの結果かもしれない。しかもソフトフルートは今回思いっきり出遅れたので3着という着順以上に強い。同じ出遅れをかましたムジカとの比較でそれがわかる。



秋華賞で最高の瞬間はむかえられましたか?